筑後川 鱸(シーバス) 研究

 Detail to catch ( チャンスを生かすために・・・ )

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ここでは、魚信(アタリ)というチャンスを生かし、より確実に有明鱸(シーバス)をキャッチするための

現時点での「筑紫次郎」的な詳細を明かします。

あくまで「筑紫次郎」的なので、雑誌や一般的な話と違うところがあるかもしれませんが、

ほとんどが筑後川での実釣の経験から導き出した経験則ですので悪しからず・・・。

筑後川だけでなく、より確実に鱸(シーバス)をキャッチしたいのならば必読・・・!!

本当は明かしたくない・・・できれば課金したいくらいです(笑)



1.釣行の前に・・・・

   必要な情報は「過去」ではなくこれから起こる予測可能な「未来」に関すること。

   具体的には、「天候」「風向・風力」「気温」「潮汐」「筑後大堰の水門の開き方」などである。
   「天候」「風向・風力」「気温」は天気予報のサイトなどから確認できる。
   「潮汐」は潮汐表のサイトなどから確認できる。
   「筑後大堰の水門の開き方」は大堰の携帯サイトなどから確認できる。
    大堰の携帯サイト 「水資源機構 筑後大堰管理所 堰情報提供システム」  URL 「http://k-ozeki.jp/」

   上記のようなこれから釣行するフィールドの現在及び未来に関する情報こそしっかり収集すべきであり、
   過去の情報である雑誌の記事や釣果報告などは「読み物」程度なのです。


2.キャストする前に・・・

   そして何よりフィールドに到着したら、自分でそのフィールドを目視しその状況をしっかり把握することが
   何よりも大事なことなのです。

   闇雲にキャストする前に、まず空を見上げて天候と風向を、そして川面を見て大まかな流れを自分で確認する。
   そして、足元の水辺を観察し、ベイトや潮汐具合や水の色などを自分で確認する。
   刻一刻と表情を変える自然を相手にしているのだから、こうした初源的なことを意識的に行う必要があります。
   こうした意識的な積み重ねこそが、フィールドに落ちている「パズルの欠片」を拾うための土台となるのです。

   そして、もうひとつ大事なことは、ランディングポイントをイメージすること。
   ここで魚を掛けたら、「どこに誘導し」「どんなランディングをする」のか、あらかじめ考えて準備しておきます。
   このシュミレーションは確実にキャッチするためには絶対に必要なことです。
   魚が掛かってから、慌てているようでははっきり言ってダメ。
   魚釣りは、魚を無事にキャッチしてこそ完了するのです。
   概ね「逃がした魚やバラシた魚は大きい」ものなのです(爆)


3.魚信(アタリ)・・・

   待望の魚信(アタリ)があったら、慌てず騒がず、「アワセ」ません。(ここが肝です!)
   反射でアワセを入れると、掛りが浅く、概ね50%以上の確率でバレます。

   魚信(アタリ)があったら、反射的にラインテンションを抜く。
   ロッドを前に倒して、一拍入れるのです。
   そして、ゆっくりリールを巻いてラインを手繰り、一気に「強く」「短く」「一発」アワセを入れます。

   はっきり、言います。これが「奥義」です。これで75%以上はキャッチできます。
   上級のアングラーでさえ、この「奥義」をわかって実践できている人はわずか一握りです。

   上記の一連の動作を検証すればわかりますが、これが実践できれば、
   どんな硬いロッドを使用してもバイトを弾くなどという馬鹿げたことは起こりえません。
   ロッドが硬くてバイトを弾くなんて記述や記事を見るたびに、下手だということを吐露しているようなものです。

   アワセを入れるのは、ファーストジャンプまでの間です。
   しかしながら、ファーストジャンプまでの間が非常に短い場合があります。
    (1)ルアーを丸呑みしている場合
    (2)ヒットポイントが非常に浅い場合

   (1)の場合は、ジャンプしても滅多にフックアウトすることはありませんし、実際には対応できません。
   この場合は、鱸(シーバス)は苦しくて、ずっとジャンプを繰り返します。
   そして、ほとんど走ることもなく、自ら体力を消耗して、すんなり寄ってくることが多いようです。
   ただし、丸呑みしているということは必ずリーダーが鱸の口で擦れていますので、鱸のサイズにもよりますが、
   「そのまま普通にファイトする」
   「リールのドラグを緩めてラインに負荷をかけないで時間をかけてじっくりファイトする」
   「リールのドラグを締めて短時間で強引に寄せてしまう」
   など、状況に応じてそのことを考慮に入れてのヤリトリが必要となります。
   (2)の場合は、キャスト前にフィールド観察をしていれば把握できるはずなので、それなりの対応ができるはずです。



4.ヤリトリ(Fight)・・・

  魚信(アタリ)にアワセを入れてフッキングすると、
  「走る」「ジャンプ」「鰓洗い」「ヘッドシェイク(首振り)」
  「岸への突っ込み」「沖への突っ込み」など魚が抵抗をはじめます。

  大事なことは、人間が興奮して慌てないこと(笑)

  冷静にフィールドインした時のランディングポイントと
  ランディングシュミレーションを実行してみてください。

  はじめは、シュミレーション通りにはいかないと思います。
  しかしながら、きちんとランディングを意識しての
  フィールドインを重ね、何回かのキャッチを重ねれば、
  概ね、シュミレーションに沿ったランディングが可能になってきます。



キャッチできる状態の「鱸」

  ロッドワーク・・・魚との角度をつけすぎるとフックアウトの確率があがります。
            ロッドは魚との角度を消し水面に平行に寝かせた形でのファイトが基本です。


  リールドラグ・・・ドラグを強くすると魚への抵抗が大きく、魚が水面を割ってジャンプする確率があがります。
            ジャンプするとフックアウトの確率があがるので、なるべくジャンプさせたくはありません。
            掛けた魚のサイズと掛り具合及びライン・ルアー・リング・フックの強度によりますが、
            概ね、普通に手で引き出せるくらいがいいようです。
            もちろん、相手によってはヤリトリの最中に調整することもあります。

  ケースバイケースで対応はことなりますが、よくあるケースとその対応を紹介しておきます。
  (1) 「魚信(アタリ)」  
      一拍おいて大きくアワセを入れます。
  (2) 「走る」  
      リールのドラグの調整により基本的には走らせます。
      走らせるのが基本ですが、障害物などが近くにあり、走らせることができないような場合のみ、
      ドラグを締めて障害物から引っ剥がし、パワーゲームへ移行します。
      当然ですが、パワーゲームの場合はバレやすくなります。
  (3) 「ジャンプ」「鰓洗い」「ヘッドシェイク(首振り)」
      非常にフックアウトしやすい状態ですので、ロッドを寝かせて魚との角度を消して、
      ラインテンションをきちんと保って対応します。
      いたずらに、ロッドを立てたり、振ったり、リールを強引に巻いたりすると更にバレやすくなります。
  (4) 「岸への突っ込み」
      だいたい早い段階でファーストジャンプの後くらいには、お決まりのように岸へ向かって突っ込んできます。
      リールをすばやく巻いてラインテンションを保ちます。
  (5) 「沖への突っ込み」
      「岸への突っ込み」の後に、魚がこちらの存在を認識すると、反転して沖への突っ込みをおこないます。
      また、大型に多いのですが、ファイト後半に、突然、何回か沖への突っ込みをみせることがあります。
      リールのドラグ調整でラインテンションを保ちます。
      ロッドは寝かせたまま魚との角度だけ気をつけて耐えます。

  上記の記述からヤリトリの基本は「ラインテンションを保つ」ことです。
  そして、ロッドを寝かせて魚との角度を消し、いたずらにロッドを立てたり振ったり、あおったりしないことなのです。

  また、リールを巻きすぎない。
  できるだけ、沖で走らせて魚が水面に横たわってから、岸へ寄せるのが理想です。
  あまり、魚が元気なうちに岸へ寄せると近くで走られ、暴れられて
  結局、こちら側の懐と余裕がなくなり、ロッドによる切返しが多くなり、バレやすくなります。



5.ランディング

  右上の画像のように魚が水面に横たわってくれたら、
  いよいよランディングです。
  ランディングには細心の注意を払い、慎重に行います。

  ロッドを静かに立てて岸へ寄せます。

  同行者(技量にも因りますが・・・)がいる場合は、
  アシストしてもらった方が無難です。

  ランディングの方法は、
  「ハンドランディング」
  「ランディングツールを使用してのランディング」
  「ネット(網)でのランディング」
  などがあります。



dtc002.jpg
リリースに向けて回復中の「鱸」

  ネット(網)以外は、鱸(シーバス)の下顎を掴んでのランディングとなります。
  安全と確実性及び魚体への影響から総合的に考えると「ランディングツールを使用してのランディング」を推奨します。

  ロッドを立てた後も、ラインテンションにだけは保つように心がけてください。
  この最終の局面では、魚の最後の抵抗での小さなジャンプなどでラインが弛みフックアウトなどが非常に多く見られます。

  当然ですが、最終のランディングの局面では、ラインが人の体の近くにあります。
  ラインが人や道具に絡むとラインブレークもしくはフックアウトしますので、細心の注意をはらってください。

  最後まで、気を抜かず、しっかりキャッチしてください。




6.リリース

  無事、キャッチした鱸(シーバス)はキープする場合を除いては、
  きちんと回復させて速やかにリリースしてあげてください。

  リリースする場合は、キャッチし、速やかに撮影後に、
  丁寧に回復処置をおこなってあげるのです。

  今日のこの「出逢い」に感謝しながら・・・

  リリースの際は鱸(シーバス)の下顎を掴み、
  水の中でゆっくり前後させて、鱸(シーバス)の鰓に
  しっかり水を送ってあげてください。
  それをしばらく続けると、回復した鱸(シーバス)が
  指を噛んできたりします。

  そこまでいけば、ゆっくり下顎から指を離してあげると
  自力で遊泳しはじめてくれるはずです。



dtc003.jpg
筑後川へ無事、帰っていってくれる「鱸」
リリースできたことで「ホッ」とする瞬間、
同時にキャッチの充実感に満たされる。


  鱸(シーバス)の頭を流れに向けて送り出してあげると、スムースにリリースできることが多いと思います。

  くれぐれも、釣った鱸(シーバス)が腹を上に向けたままの状態で、放置するようなことはしないでください。
  それは断じてリリースではありません。

  リリースするならきちんと自力遊泳できるよう回復させる。、
  食するためにキープするならキープする。
  どちらでも構いませんが、どちらか決めたらきちんと遂行する。
  これは「アングラー」としての「義務」であり「責任」なのです。

  リリースの理念は本気で考えると捉え方や概念が難しいと思います。
  以前、某大手メーカーの釣り番組で腕の無い芸能人釣り師が
  インドネシアでセイルフィッシュをPE1号で掛けてはラインブレークを散々繰り返した後に、
  やっとキャッチしたセイルフィッシュをリリースしていました。
  そしてナレーションで
  「この魚達は貴重なので、後世に残すために大事にリリースする・・・」 
  はっきり言って、当時は「こんないい加減なメーカーの製品なんか使わない!」と思いました。
  大手メーカーでも雑誌でもこの業界はほとんどこんな程度でいい加減なのです。
  本当に認識し良識のあるメーカーなどは本当にごく一部なのです。

  ラインブレークした魚は100%死にます。これが現実です。
  だから、掛けた魚を無事、キャッチできる道具を準備し、フックアウトなどならまだしも、
  最悪のラインブレークをしないように備え、そしてきちんとキャッチできるように腕を磨くのです。
  魚達を本当の意味で大切にし、こうした「釣り」を「文化」として後世に残すために・・・。

  そんないい加減な業界などに惑わされることなく、きちんとした認識と良識のある
  それでいてフィールドに謙虚に挑む「アングラー」と「そうなりたい意志のある方々」のために執筆しているのです。




   
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